
目次
区分(4)の定義
気候、森林、動物、地形、鉱物、河川、海洋、降水量、温度、湿度などを規定する基礎的な条件。地球上の全ての場所で違う。(2020/6/26)
生物の生息に適した気温と湿度、大地、大気、風、季節などの気象条件。生命分子を含む多様な物資源を素に生物が発生して、多様な生態系に発展する。
自然科学の分野で説明される、生物を成り立たせる自然環境の大きな構図の一部に人は位置づけられる。人もまた他の生物と生死をかけた競争の中に発生し、子孫をつなぎ存続してきたのだ。(2020/6/24)
区分(4)に関連する学問分野
[wikiより「地質学」とは、地面より下(生物起源の土壌を除く)の地層・岩石を研究する、地球科学の学問分野である]
自然環境(A)の内的秩序を示す区分(4)は地球上の多様な生態系を形成する基礎となる地形の要素を意味している。(2022/11/26)
この区分(4)は地球科学の気象と地形の有り様について述べた分野が該当する。気象学と地質学か。
余談だが「人新世」という考え方が地層に近代文明の影響が及ぶことを意味する点と、縦の帰りの流れ(↓)の終点⇩42が地質学に至る点に矛盾はないため、人新世の概念を裏付けるモデルとも言える。(2022/11/21)
人が生きるために必要な条件
一般的に人にとっての自然環境という語は、陸地の住環境を意味する。
原始時代の人は森林や草原に発生して存続するようになった。その後、長い期間を経て成し遂げた文明の進歩により高地や寒冷地を含めて陸上の多様な自然環境下で暮らすようになる。この壮大な物語は歴史や人類学などの研究結果で語られる通りだ。
人は生まれた地域の自然環境に適応するための生活習慣や文化を築き上げ、その地域に特有の集団を形成して暮らしている。原始時代の人にとって自然環境は厳然と存在するものであり、それらに適応した生活様式(生態)を得なければ生存できなかったからだ。
人がその土地で生存する為には最低限乗り越えるべき条件がある。
その土地の気候条件下において平常時に健康に適した体温を一定に保てること。その土地に生息する動植物を捕らえて摂取でき、栄養素として活用し、健康を害する成分に免疫を持つこと。
繁殖可能な集団を形成でき、それを維持するのに十分な物資源が得られること。集団の秩序を維持するルールを持ち、集団行動による恩恵が得られること。個人が集団のためにルールに準じた行動をとることができ、集団が保たれること等だ。
上述の通り色々あるが、これらの条件が文化や生活習慣などの複合的な作用により実現することで初めてその自然環境の元に生存できる。このように生存するために多くの条件を乗り越える必要があった初期の人類は、自然環境に応じた営みを築き上げ各地への住み分けを可能としたと考えられる。自然環境に適応するため、努力と戦いの末にやっと得た住環境だ。
概要図の自然環境(A)という区分が示すのは、上述の食料や様々な営み以前に、人が生物として身体の形状を保ち生存するための最も基礎的な条件である。
具体的には平常時に健康に適した体温を保てる気候条件などだ。これは生存に必要な様々な条件から、その土地の摂取可能な生物資源(食料)を除いたものだ。食料に関する区分は生物的環境(C)になる。(2020/7/3)
区分(4)の有り様
人が生息可能な自然環境とは何だろう。それは同時に他の生物も生存可能な場所であることを意味する。生物的環境(C)における内的秩序と外的環境のせめぎ合いは、限られた土地の空間内で限られた資源をめぐって複数の生物個体の間で起こる争いを意味する。
有限の空間に存在する物質は、質量が大きく、流動性が低く、エネルギー量が大きいものから優先的にその空間を埋めてゆく。
物質の時間経過に伴う変化の速さと様子は、物質の種類と状態によって異なる。地殻の動きは何百万年ものスケールである一方で樹木の生育は長くても数百年、植物の恩恵を得て生息する動物は数十年しかない。
地球上の物質のありようの一つである生物という状態の現れ方(生物種)によって流動性(寿命)は異なるのだ。
これらの事象は、全て物質の集まり方の違いとして観測される。物質は基礎的な条件が安定することでその条件に応じたまとまりや系を形成する。
人にとっては地球という惑星がその基礎的な条件の最大範囲である。大きなスケールで地殻変動は起き、それによって形成された地上に様々な生物が生息している。
その様々な生物によって生態系が築かれた。生態系の中で人の生存を助ける食料に適した生物が存在する場所は限られる。もちろんその生物の種類や数も自然環境に存在する水などの資源の量によって決まる。人にとって最適な環境から不適なものまでグラデーション状に地上に分散しているのだ。(2021/1/22)
関連する項目
(4)に関連のある42区分を以下に示す。
・⇧5 生物の生息環境の成立過程
・⇨3 地球の構造が成立する過程
(4)に関連のある用語について述べたページを以下に示す。
・自然環境(A)
・内的秩序
考え方全体の枠組みについて最初から述べたページを以下に示す。
・4つの流れ理論
