
目次
区分⇩37の定義・関連する学問分野
心的環境(G)から人的環境(F)への流れを示す区分⇩37は、人の生物としての生態を損なわない正常な行動を発現するための意識の統合の過程である。
[wikiより「精神医学」は、各種の精神障害・精神疾患に関する診断、予防、治療、研究を行う医学の一分野である](2022/11/27)
区分⇩37の概要
人は脳が発達して社会性と呼ばれる心の働きを持っているため、行動に際して心的環境(G)から人的環境(F)への働きかけという回りくどい過程がある。
しかし、生物として存続するための心的な働きの中心は、人的環境(F)の内的秩序である人の生態に関わる心理作用が担っている。それは欲求を生み出す中心的な働きである。
ところで、行動発現に至る一連の流れの最初の段階である自己意識と接する外的環境が集団の他者であることは、人の社会性の発達を意味するものと言える。
このような人独特の心的な構造は大きな示唆を与える。その最たる現れが自己犠牲的な行動だ。心的環境(G)の外的環境の圧力が極限まで達すると、人的環境(F)の内的秩序である生態的行動よりも自己犠牲を優先させる行動をとってしまうことが概要図上で入れ子構造として示されていることになる。
区分⇩37の働きの概要を説明すると以下のようになる。
身体と脳に備わった生態に関わる行動のプログラムを意識により起動する(⇩37)。
その意識は他者との関係性の中で築かれた自己の姿をしている(⇨33)。
意識の形をとった純粋な個人の欲求が生態の仕組みを起動させる(⇨28)。
その欲求(⇩36)は行きの流れにおいて受け取っている内的秩序と外的環境の境界の状態によって決まる。生命の維持か、繁殖か、食料の摂取か、他の興味のある事象かは縦の行きの流れ(↑)によって規定される。
意識によって生態的な働きを起動した時点(⇨28)で人的環境(F)の内的秩序と外的環境の関係が整理されるのだ。ここで行動の要因の分析と行動の具体的な内容が決定する。
この区分⇩37に該当するのも心理学の中心的な研究分野になる。
中でも健常な行動の現れ方に着目した分野として、心理学の中でも精神医学がより妥当な分野と言えるだろう。(2022/11/23)
区分⇩37の行動発現に向けた中心的な働き
縦の帰りの流れ(↓)における人的環境(F)への働きかけは、心的環境(G)の次に働きかけが容易であり、行動の発生要因(⇧35)から近い層だ。
これは同じ生物種である人を相手にした働きかけである。人同士は群れたり繁殖ができる。(2022/6/23)
区分⇩37と言語の働き
端的に言えば言語に基づく認知の体系(知識)は、神や権威や強いものを表す記号の集積だ。
これに対して人的環境(F)の内的秩序に相当する区分である心的環境(G)は、言語という記号を用いて個人の内に形成された認識の状態を示す。この言語の働きには集団で共有される権威を内面化する意味合いもある。
こうして言語に基づく認知の体系の権威を借りて作られた心的環境(G)を裏づけとして起こる力の解放を行動と呼ぶ。
人が行動する前に悩み、葛藤する心理は言語に基づく認知の体系が内包する権威から何を借りてくれば自分がしたい行為を裏づけ説明できるか分からない状態とも言える。(2020/8/5)
帰りの流れの発現過程と区分⇩37
帰りの流れについて。
大事なのは行きの流れとは違い、外的環境から順に影響を受けていくのではなく、内的秩序から外的環境へ向けて影響を及ぼしてゆく流れだということだ。
行動へ向かう意識が発生して心的環境(G)の内的秩序が発動し、その変化の勢いによって順に下の環境層へ変化が及び行動(身体運動)が発生するのと、行きの流れにおいて下の環境層の上にその安定の状況に応じた環境層が順に成立するのとは大きな違いがある。改めて強調しておきたい。
帰りの流れを観測する上で大事なのは、各環境層に対してどんな働きかけをして変化を与えてゆくかについてだ。そこに見られるのは言わば逆の積み重ねとも言える流れだ。
なぜなら、帰りの流れでは自然環境(A)からの影響を受けてその上の環境要素が積み上がってゆく流れの逆を辿るからだ。
人の生存目的を果たすための行動を最適な形で成立させること、つまり食料の探索、捕獲、摂取、繁殖を最も望ましい形で行うことが生物として遺伝子により動機づけられた最終目的だとする。
最も望ましい形とは自然環境において力関係で他者や他生物に対して優位性を持つこと、即ち強い力を発揮することだ。
そのために最も効果的なのは複数個体の力の方向性を一つにすること。それは人同士であれば実現しやすい。つまり人が発生して以来、自然環境(A)の強い影響を受けながらも発展して来た歴史は、環境の影響に対して力を最大、最適に発揮する行動を求め続ける過程でもあったのだ。
そのために人は協力し合う集団を作りその力を強化して来た。(2020/8/5)
関連する項目
⇩37に関連のある42区分を以下に示す。
・⇩38 行動・生活様式の背景となる価値観
・⇩36 意識
⇩37に関連のある用語について述べたページを以下に示す。
・人的環境(F)
・縦の帰りの流れ(↓)
考え方全体の枠組みについて最初から述べたページを以下に示す。
・4つの流れ理論
