⇦17 化学物質の影響と受容


個人の身体と関わりのある外部の物質の挙動を示す区分

目次

区分⇦17の定義

情報的環境(D)の外的環境は五感で受容できること。身体器官で受容可能な光の範囲や量、音の量、周波数、嗅覚、触覚などの感覚で認知できる形状や感触など。

人の感覚器を最大限生かして身体周囲の事象を捉えるための手がかりとなる、物質のもつ特徴のうち身体で受容可能なものがこの区分⇦17だ。
自然物が持つそれらの特徴は情報の海である。その情報を自然物から自らの生にとって有益なものを見つけ出す手がかりとする。そして個人が誕生する前の胎児の時点では母体から受け取る栄養素などの身体を構成する働きもこの⇦17に区分される点も押さえたい。

蚊が人の匂いを感知して人に近づいてくるように情報的環境(D)の外的環境に存在する物質はそれぞれに異なる特徴に応じた波(光や音)を発していたり、化学的な特性を持って異なる挙動(匂い)をしている。(2022/7/11)

区分⇦17に関連する学問分野

人の周囲の分子は様々な波や化学的な働きで生物個体である身体に関わって来る。その関わりに着目したのが区分⇦17だ。
健康に害のない視覚や聴覚や嗅覚に関するものから病原菌や有害なウィルスまで様々な関わりがある。
よってこの区分に該当する学問分野は医学になる。筆者はこの分野も非常に疎いので、専門的にはもっと適した学問分野が当てはまるだろう。但し、身体の皮膚を隔てた外側からの分子レベルでの働きかけを対象とした学問分野であることは確かだ。(2022/11/22)

情報的環境(D)の外的環境から内的秩序への流れの区分⇦17には、環境に存在する物質が一個体の身体に影響を及ぼす過程と、感覚器で捉え得る情報が身体器官で受容される過程が該当する。

[wikiより「生物物理化学」とは、物理化学の方法論を使い、生物学が扱う生体物質や生命現象について研究する学問](2022/11/27)

区分⇦17の定義の補足

情報的環境(D)の外的環境は、五感で受容できるものという記述があったが、病原となるウイルスの情報もこの中に含まれる。つまり、有益なもの以外もあることは追記するべきだろう。それに抗する身体の働きである区分⇨18もあるわけだし。(2022/7/11)

この区分⇦17に該当する事象は人の個体の誕生に関わる母体の物質的要因という意味まで広げて良い気がする。(2022/12/18)

区分⇦17の詳述

生物的環境(C)の外的環境に存在する生物群(生物資源)を基礎に情報的環境(D)の内的秩序が築かれる。情報的環境(D)の内的秩序は個人の身体を形成する物質の働きに関わる区分であり、健康状態にも深く関わる。

人類の祖先である類人猿から進化の分岐を経て発生した当初、人は自然生態系の一生物として他の生物との競争の中で生き延びるのが精一杯だった。
そして気候条件を含む自然環境の影響に抗い、身体の健康状態を保つために内臓器官を精一杯に稼働させた。

こうして働きによって保たれるのが情報的環境(D)の内的秩序であり、その状態が肉体環境(E)を形成する基礎となる。
この情報的環境(D)の内的秩序が要素のすみ分けと安定を得た状態はどのように得られるか。
①自然環境(A)からの身体機能を妨げるような影響から隔離され守られている状態。
②身体の循環機能を助ける食資源が円滑に取り込まれて生命維持を助けている状態。

この二つの状態によって情報的環境(D)の内的秩序は成長し維持され肉体環境(E)を支えることになり、生存と繁殖が可能となる。

もう少し詳しく述べる。
上述の①については風雨から身を守る住処というわかりやすいものだけではなく、丈夫な皮膚や身体の免疫反応や傷ついた時の治癒能力が適正に機能して健康が維持されている状態だ。
この免疫や治癒能力は横の帰りの流れ(→)の一つである自律的な身体の働きである。そして、もう一つの横の帰りの流れ(→)である行動によって作られた家や衣類や都市などの多種多様な人工物も肉体環境(E)の維持に寄与する。

②については、人の咀嚼能力を超えない形態で、摂取しても中毒にならず活動を助ける栄養素を持つ動植物を捕らえて摂取できる身体能力を備えた状態と言える。

①②の条件それぞれが「行き」も「帰り」の流れも含めて、人の健康状態に関わる環境層である肉体環境(E)を形成する基礎と安定を進めた。基礎とは身体の外の環境条件から隔離された体内活動を維持できる状態、安定とは継続的に健康状態を保った結果として繁殖して種が存続できる状態を意味する。

以上の状態が維持されることによって、病気によって死んだり、他生物によって殺害されたり、事故によって死んだり、食料を得られずに死んだり、寒さによって死んだりすることを避けられるのだ。
その結果として人は寿命を伸ばし身体を強く大きくして繁殖能力を高めた。そこに至る過程では遺伝子レベルの変異も介して生存適応性を高めている。
これは「行き」の流れで説明できることで進化的な環境適応であるが、「帰り」の流れも含めると医療の発達や農業と牧畜の発達の影響がより大きいことが分かる。(2020/7/21)

関連する項目

⇦17に関連のある42区分を以下に示す。
⇨18 分子単位の生体維持活動
[16] 身体外の物質の様態

⇦17に関連のある用語について述べたページを以下に示す。
情報的環境(D)
横の行きの流れ(←)

考え方全体の枠組みについて最初から述べたページを以下に示す。
4つの流れ理論


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