
目次
- 区分⇨18の定義・関連する学問分野
- 情報的環境(D)の内的秩序の働きとしての区分⇨18
- 区分⇨18の概要 情報的環境(D)の意味づけ
- 区分⇨18の自律的な働き もう一つの情報のあり方
- 行動と情報的環境(F)の関係
- 区分⇨18の2つの特徴
- 身体の延長としての言語を発する行為と区分⇨18
- 言語を用いることに期待される効果の内面化
- 区分⇨18の生存可能性の向上に果たす役割
- 区分⇨18を推進する細胞の働き
- 集団の統率に果たした区分⇨18の役割
- 行動を移動と行為に分ける理由と厳密な区分
- 関連する項目
区分⇨18の定義・関連する学問分野
情報的環境(D)の内的秩序から外的環境への流れの過程である区分⇦18は、変動する環境下で体内の正常な働きを保つための分子レベルの生体活動の過程を示すものだ。
[wikiより「生化学」とは、生命現象を化学的に研究する生物学または化学の一分野である。生物を成り立たせている物質と、それが合成や分解を起こす仕組み、そしてそれぞれが生体システムの中で持つ役割の究明を目的とする](2022/11/26)
情報的環境(D)の内的秩序の働きとしての区分⇨18
体内の健康を守るための細胞による分子レベルでの働きは医学の研究対象となっている。これは区分⇨18に該当する学問分野と言える。
しかし医学の研究が環境の物質と身体を形成する物質との関係を対象とする一方、4つの流れ理論の区分⇨18はこの医学分野だけに留まらず、身体の周囲環境への働きかけを広く捉えた概念だ。
本論は該当する既存の学問分野を特定することが目的ではなく、多様な要素の関わりと流れを理解するためのモデルなので問題は無い。
取り上げた学問分野の区分と本論の区分が一致しないことも当然にある。あくまで筆者自身が近いかなと思った学問分野として取り上げたものであることをご理解いただきたい。(2022/11/22)
区分⇨18の概要 情報的環境(D)の意味づけ
「人は感覚器で得た情報を通じて(利用して)周囲環境にある他生物と物資源に働きかけている」
この記述は情報的環境(D)から生物的環境(C)への縦の帰りの流れ(↓)を意味している。
事実上、人は「事象・事物の存在=その事象・事物を感覚器の働きを通じて受け取る情報」と認識している。簡略に述べると「存在=情報」だ。
つまり、縦の帰りの流れ(↓)における生物的環境(C)・物的環境(B)・自然環境(A)への働きかけは、全て情報的環境(D)の外的環境を起点として起こるのだ。
人は事象・事物が持つ特徴を生物的な信号に置き換えて認識している。
そして物への働きかけもその信号を頼りに信号を発する対象に向けて行われる。これが情報的環境(D)の横の帰りの流れである区分⇨18の本質だ。(2022/7/16)
区分⇨18の自律的な働き もう一つの情報のあり方
様々な環境条件の土地にすみ分けられ、その土地の生物資源を摂取して生きる人類は肉体環境(E)もその土地固有のものにすみ分けられていく。
人の遺伝子であるから身体の基本的な構造の違いは無いが、その土地における生活習慣も含めた適応の様態によってその地に適合した身体を持ち得ていると言える。
特定の病原体やウイルスへの耐性もその一つだ。(2020/7/3)
行動と情報的環境(F)の関係
情報的環境(D)の外的環境と人の行動はどのように関係するか。外的環境にある物と人の関係を例に考えてみる。
「手による働きかけを通じて物を利用する」ことは「その物の特定の性質を意図通りに引き出す」ことを意味する。
「物の特定の性質を引き出す意図を持って働きかける」ことで、物がもつ固有の性質から生まれる特徴(物の情報)を意図通りに内的秩序に取り込むこと。これが行動と情報の関係のあり方だ。
このように情報への働きかけを起点として、物に対する手の働きかけが作用することで物を動かすことができる。
こうして情報的にも物理的にも内的秩序に取り込まれることで、物が手の働きの延長のような性質を帯びる。
見る、知る、感じるなどの情報を通してその物の性質を取り入れる、つまり認知することが情報的環境(D)の外的環境への働きかけだ。
端的に言えば「知る」こと。これが区分⇨18の特徴の一つだ。
他には環境中の物質への化学的な防御の働きもこの区分に該当する現象だ。これは横の行きの流れ(←)に対する横の帰りの流れ(→)として現れる現象であり意識を介さずに起こる。(2022/6/16)
区分⇨18の2つの特徴
情報的環境(D)の外的環境への働きかけを意味する区分⇨18について。
①行動の目的に適う情報を手に入れること(ウイルス等の意図しない情報の受容も含む)②行動による周囲環境への働きかけによって受け取る情報を変化させること
この2つの意味を持つ過程と言える。縦の帰りの流れの肉体環境(E)から繋がる横の帰りの流れ(→)の現象だ。(2022/6/23)
身体の延長としての言語を発する行為と区分⇨18
情報的環境(D)において、言語は文字の視覚情報として、発語は音声による聴覚情報として受け取られる。つまり横の行きの流れ(←)の一つとして受け取られる。
こうして縦の行きの流れ(↑)の無意識下で受け取られた言語が意味を持つのは、縦の行きの流れ(↑)から帰りの流れ(↓)への折り返し点である⇧35から⇩36に達してからである。区分⇩36が意味する「意識」として現れるのだ。
ここで改めて縦の行きの流れ(↑)の性質である、内と外の境界を受け取り外に働きかける過程としての作用に着目しよう。
言語能力は後天的に得るものだ。言語は出生時から外的環境に存在する現象(人的環境の外的環境)として受け取られる。言語に関する体験をもとに、言語の意味を内面化(人的環境の内的秩序)する。
そして、その言語は縦の帰りの流れ(↓)において、内面化した体験の代替物、あるいは事象、事物の延長・代替物として、その特性・性質・機能を利用するために、外へ向けて(他者に向けて)発せられる。
これは人が道具をその性能や機能に期待して用いることで手足の延長として用いて、事物に働きかけるのと同じ作用である。
体験上、言語を発することで事物を動かすのと同等の効果を期待できるように認識しているからこそ、似たような傾向が現れるのだ。言語も道具も縦の帰りの流れ(↓)において用いられる点で共通している。この発語という行為は⇨18に区分されると考えられる。(2022/7/1)
言語を用いることに期待される効果の内面化
道具も言語も共に、それを用いることで、その性質を利用した事物に働きかける効果が期待される。
これは言語を他者に対して発語することによるものと、その言語を用いた思考や思想に基づく行動によるもの、両方の効果である。
この物や言語への期待は個人の生育過程で体験的に得られるものである。
生まれながらに周囲に存在する、複雑な過程を経て形成された法律や慣習の恩恵を享受するのも、便利な情報端末を使うのも、その物の構造や成立過程を知る必要はない。
決まり事も道具も、その価値は体験的に内面化することで得られる。
体験的に得られた言語や道具への期待と、それを用いて得られる結果は、まさにその個人にとっての手足や事物の延長として操作される。
この意識が作用するのがこの区分⇨18だ。身体から発する作用と周囲環境の接点を意味するのがこの区分だからだ。(2022/7/1)
区分⇨18の生存可能性の向上に果たす役割
病気や怪我をしていない健康な体調で、しっかり食べ物を得て成長して大きな体つきだったので無事に歩くことができ、ライオンのいる道を通る際の生存可能性が高まった。
肉体環境(E)は行動によって直接変えられる類の環境要素では無い。
環境に存在する様々な要素である気象や地形や生物、病原体やウイルスと調和した健康な肉体であることは大事であるが、意思によってどうにかなるものでは無い。(2020/7/24)
区分⇨18を推進する細胞の働き
一言で言えば「物質の挙動」と定義づけられる情報的環境(D)の内的秩序による外的環境への働きかけは、身体内の生命分子同士の密接な関わり合いによる生命活動の結果として現れる。
その最も特徴的な現象は遺伝子情報に基づく一連の化学反応、細胞の働きであろう。(2022/7/11)
集団の統率に果たした区分⇨18の役割
人類が豊かになるのを助けたのは、集団の統率力。
小さな群れしか作れなかった原初の人類は、言語を発展させながらより大きな集団で利益を分け合えるようになった。
それを支えたのは豊かな生物的環境(C)の内的秩序だ。これを農耕文明によって大きく発展させるに従い、多くの人を養えるようになった人類は、その多人数をまとめる知恵も発達させた。その集団の規模に適した意思疎通方法は、ただの合図から言語へと発達して、情報、噂、神話、習慣、法律、思想と大きく複雑になっていった。(2020/7/3)
同じ信仰、同じ習慣、文化、法律のもとに行動パターンを共有する。味方を攻撃することはない。(2020/7/24)
行動を移動と行為に分ける理由と厳密な区分
このモデルで疑問を抱かれるであろう点は「行き」と「帰り」という概念を持ち出した点だ。
行動という概念を「移動」と「行為」に分けて捉え、それぞれを「行き」と「帰り」の別々の流れとして捉える点だと思う。
実際の移動と行為は一体のものであり切り離すことはできない一つの行動として現れる。縦の行きと帰りの流れ(↑↓)が実際には連続した流れであるのと同じだ。
移動には、限られた空間のうち身体能力で歩行可能な範囲を漂い、それによって環境に存在する事物との位置関係を変える作用がある。
そして、何らかの行為で環境の事物に働きかければその影響により環境の事物は変化する。
(この個人の行動によって起こる身体と環境の関係の変化の様相を意味する「行動的環境」という概念を考察の初期に示した。但し、この概念は現在使用していない
ではどこまでが「行き」でどこからが「帰り」なのか。分けて捉える意味も含めて述べる。
例えば狩猟採集を行う人が獲物の動物を発見したとき、その認知に基づいて追いかけるのは帰りの流れだろうか?認知に従って目的を持った意図的な行動だから帰りの流れだという意見と、それでも個体が移動しているに過ぎないから行きの流れだという意見に分かれるだろう。
本来、生物にとっての移動は、放浪や徘徊を通して敵からの退避や獲物の探索、生存に適した場所の発見など様々な目的と機能を兼ねた行動として現れる。
このことから上述の問いの答えは移動そのものは行きの流れで間違いないが、その追いかけた結果獲物を捕らえた場合は「結果としての行為につながる移動」、つまり帰りの流れとなる。
これに対して獲物を逃してしまった場合は「ただの移動」でしかなく行きの流れに収まるのだ。
これは不思議なもので、移動というものは意識的な身体運動でありながら無意識の影響や移動中に出会う思いがけない環境条件によってかなり規定されることを意味している。だからこそ行きの流れに区分されるのだ。
そして移動と行為は認識においても隔たりがあることも経験的に理解しやすいだろう。望んだ行為をするために目的物に近づくまでは出来たけど結局は実行しなかったという経験は誰にでも覚えがあるだろう。
これが行動という概念を「行き」と「帰り」の流れである「移動」と「行為」に分ける理由である。
科学技術が発展して情報技術が心の有り様さえ変えるようになったとしても、個人の身体がどの場所に存在して何を為すかの重要性は、人が生物である限り変わらない。
むしろそれによってしか人は自らの生を確かめることはできないのかもしれない。
移動や行為に伴い変わる周囲の状況を意味する区分(上述の行動的環境に相当)に該当するのが区分[16]である。
この[16]に対する働きかけである⇨18が本当の行きと帰りの境界になるのかも知れない。
行動の対象に到達した場合は⇩36〜⇩39が帰りの流れになり、何も行為が起こらなければ同じ⇩36〜⇩39でも行きの流れにとどまるという事だ。
しかし、このような厳密な区分は理解のし易さを阻害するため、移動も行為も含めた概念として行動という語を用いるのが適当だと判断した。その「行動」が現れるのは区分⇩36からで間違いない。(2021/7/21)
関連する項目
⇨18に関連のある42区分を以下に示す。
・(19) 生体の分子構造・遺伝子
・⇦17 化学物質の影響と受容
⇨18に関連のある用語について述べたページを以下に示す。
・情報的環境(D)
・縦の帰りの流れ(→)
・内的秩序
考え方全体の枠組みについて最初から述べたページを以下に示す。
・4つの流れ理論
