
目次
- 区分⇨13の定義・関連する学問分野
- 区分⇨13の概要
- 生物的環境(C)の内的秩序の形成過程
- 人の生物としての生態に基づく行動
- 食料を摂取する環境層の区分(C)
- 人同士が関わり合う環境層の区分(C)
- 区分⇨13の生存可能性に及ぼす働き
- 関連する項目
区分⇨13の定義・関連する学問分野
生物的環境(C)の内的秩序から外的環境への流れの区分⇨13は、人による最小の集団(家族など)に属する個人が生存を続けるために行う営みの様態を示す。
そうした営みの繋がりが社会を形成する。ただし何をもって最小の集団とするかは解釈の仕方により多様な定義が考え得ることから、家族はその一例として挙げたものとする。
[wikiより「社会学」とは、社会現象の実態や、現象の起こる原因に関するメカニズム(因果関係)を体験・統計・データなどを用いて分析することで解明する学問である](2022/11/26)
区分⇨13の概要
人同士の競争の中で、人の個体を中心とした家族などの集団が生存するための営みを示すのがこの区分⇨13になる。
一般の人が法律や社会の競争システムなどに反することなく、何とかいい働き口を探して食に困らない生活を手に入れて、異性と結ばれて子を産み育てる。このように個人が懸命に生きる様の全てがこの区分に該当する現象だ。
人生の有り様は人それぞれであり決まったモデルは無いが、普遍的な人生の有り様について探究した学問の一つとして発達心理学、又は文学や絵画や映画などの芸術作品にも人の生き方の様子が示されている。このような生きるための多様な試みに関する知識分野が、この区分⇨13に関連する学問分野として挙げられるだろう。(2022/11/22)
生物的環境(C)の内的秩序の形成過程
生物的環境(C)の内的秩序の形成過程を見てみよう。
原始時代は個人とその家族数人による集団と他の動植物と、同じように採集で食を賄う他の集団で生物的環境(C)は構成されていた。
次第に人は協調することを覚えた。同生物種である人類同士は協調の方法を進歩させ、人と協調できない他の生物は可能な限り支配して効率的に食料とする方法を発達させるように二極化したすみ分けを推し進めた。
これは一見はっきりした人と他生物との二極化に思える。
しかし、実際には人同士が協調する方法や制度が進歩していない時代は、異なる集団に対して協調できない他生物と同じ扱いしかできない場合も多かったであろう。言語や思想が発達していなければ、他生物と同じような緊張関係の中で互いが衝突しないように距離を取ったり、相手を支配して搾取するしか選択肢はないのだ。
人は農耕牧畜の方法を手に入れ、搾取や支配でコントロールしやすい性質を持った他生物を食料として生産する技術を発展させた。
これと並行して、最も扱いづらい生物である人間を支配する仕組みも発展させてきた。支配の方法は破壊や搾取による調整ではなく、少しずつ協調によるものへと進歩してきた。
なぜ人は協調を選び、その質を高める道を選んだのか?
それは人が他生物を上回る知恵と力を得て、効率的に他生物を搾取して人口を増やす方法を手に入れたからだ。そこに他生物という資源があり、それを得られたから人は巨大な集団になり得たのだ。
限られた空間の中に、活動する複数の生物個体を閉じ込め、高い密度で関係し合う状況を作ると弱い個体は強い個体によって淘汰される。
しかし、個体の質量と能力が拮抗する場合には相手を倒して摂取することが難しくなる。その結果として世代を経ると、全体的に限られた資源を分け合うサイズに個体数は制限されて、個体同士は争わずに調和の傾向を見せるようになる。
以上は単純なモデルだが、人類が他生物から搾取する構造と、その搾取により人口を爆発的に増やして地上を満たした末の現代の状況はこの理屈で説明できる。実際に調和が達成されたとは言い難い状況だが。
生物的環境(C)の内的秩序を中心に生きる現代人の特徴は、上記のように高い密度で個体同士が関係し合う、限られた空間に大人数が暮らしている状態と言える。
この状態を生み出したきっかけは他生物に対する支配力を徐々に高めて搾取する量を増やし、多くの人口を養えるようになった農業革命から一連の流れである。その営みが進展するのに伴い、生物的環境(C)の内的秩序は豊かで濃密な生物的な営みに変わってきた。
膨大な数の民族と文化が存在した過去から現代に至るまでの、長い期間を経た気の遠くなるような対話と競争と調整の末に得た社会構造。これが生物的環境(C)の内的秩序だ。
人の集団の有り様は小さな核家族の構造から大きな社会関係まで多層的であることから、この生物的環境(C)の内的秩序もまた様々な捉え方ができるものと定義している。(2020/7/11)
人の生物としての生態に基づく行動
安定した生物的環境(C)の内的秩序が保たれることで他生物の安定した摂取が可能となる。
食物連鎖の過程で摂取の対象とするのはその個体と同種の生物ではなく、他生物とすることが合理的だ。こうした生態に基づいて人と協力して集団を作り、他生物を捕らえ摂取する習慣が根付いた。(2020/6/24)
食料を摂取する環境層の区分(C)
同生物種、あるいは近親者を味方として集団を組織して他生物を捕らえる仕組みは、集団内の結びつきが強固になるに従い、より多くの他生物を安定的に捕え摂取することを可能にする。
安定的な食料摂取ができる環境は肉体環境(E)を維持することを助け、肉体を強く大きく健康を保ち、寿命を伸ばすことを可能とした。
同生物種の味方と協力し合うことで、他生物を捕え安定した生存と強く健康な肉体環境(E)を得た人は、次第に人口を増やした。死者が減り、食料が多く得られるようになれば当然の結果だ。(2020/6/24)
豊かな生物的環境(C)の内的秩序と外的環境の関係(食料を得る体制)が健康な身体を持つ子孫の出生を支え、人口増加を促進して生物的環境(C)の内的秩序を拡大させる。(2020/7/3)
人口増加に伴い他生物に対する優位性は高まる。
その結果として、元来は他生物を狩ったり採集して得ていた自然の恵みを生物が生息する環境ごと囲い込むことを可能にした。その表れが農業と牧畜の営みだ。この傾向は農業革命によって飛躍的に強まった。そして効率的な食料生産と人口増と組織力の強化は相補的に人に更なる強い力を与えた。
肉体環境(E)と生物的環境(C)は非常に近く密接な関係にある。(2020/8/5)
人同士が関わり合う環境層の区分(C)
個人の周囲の他者、個人と異なる肉体環境(E)と接すること。
つまり面と向かって人同士が関わり合っている環境層が生物的環境(C)の内的秩序であり、これが様々な派生を生む。この環境層は人間同士が生み出す事象の核と言えるだろう。
似通った見た目同士であったり、同じ人種だと互いに分かり合ったり、肌の色が違ったり、顔の作りが違うと感じたり、異性かどうか、大人か子供か、美しいか醜いか、互いに認知し合うことで、その違いが行動に影響を与える。
これは、他者との関わりに応じて縦の行きの流れ(↑)を作る生物的環境(C)の境界が変わることを意味する。
人の価値は皆等しいかどうかという議論にここでは踏み込まないが、この論点とも深い関わりのある区分である。
他者との関わり方は個人ごとに異なる特徴を見せる。その関わり方の違いによって他者に対する行為のし易さは変わる。
この他者との関わり方の違いという要因に基づき、複数の個人は異なる集団に分かれる。言い換えると、他者と関わるための行動様式の似通った者同士が集団を形成する。この他者と関わる行動様式は文化的背景に根差して現れるため、あまり意識に上らない概念だ。
以上のように基礎的で最もわかりやすい要因によって生物的環境C)の内的秩序は形成される。最も一般的な集団は血の繋がった家族であろう。(2021/1/26)
区分⇨13の生存可能性に及ぼす働き
原始時代の人類の個体は仲間同士で組織した狩のチームの一員となったのでライオンのいる道を通る際の生存可能性が高まった。
仲間で集めた多くの食料によって、より多くの仲間や家族を養うことが可能となり集団が大きくなり、戦う力を持たない者であってもライオンのいる道を通る際の生存可能性が高まった。
個人の周囲の仲間の集団を意味する生物的環境(C)の内的秩序は、食料となる他生物の存在に依存する区分である。
人は生身の身体によって他生物を直接操作できる能力(区分⇨13)は限られるため、物的環境(B)の内的秩序の道具を介して操作することで、間接的に大きな成果を得た。それが農耕牧畜である。(2020/7/24)
関連する項目
⇨13に関連のある42区分を以下に示す。
・(14) 霊長類としてのヒトの生態
・⇦12 権力の分配と行使
⇨13に関連のある用語について述べたページを以下に示す。
・生物的環境(C)
・横の帰りの流れ(→)
・内的秩序
考え方全体の枠組みについて最初から述べたページを以下に示す。
・4つの流れ理論
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